2007年 第17回CWY企画展
2007年 第17回CWY企画展 テーマ「時 過去-現在-未来」
開催日:2007.09.29〜10.04 会場:山梨県立美術館一般展示室B

【出品者】(順不同)
早川利禧(金工)
ウラシマ ユージ(木工)
中根一政(金属造形)
日向左織(金工)
村岡由梨(陶芸)
萩原真輝(彫刻)
森本惠一郎(金工)
柳本知一(金工)
ヤマセトシフミ(金工)
村岡由季子(造形)
田中立彦(金属造形)
浦山和代(陶芸)
上野玄起(鉄工)
亀田やすよ(ステンドグラス)
深澤勉(造形)
加藤潤(木工)
水上晃一(金工)
福川廣美(陶芸)
第17回C.W.Y.企画展のテーマは『時ー過去・現在・未来』に決定しました。
【ごあいさつ】
実行委員長 ヤマセ トシフミ
開催期間 2007年9月29日(土) 〜 10月4日(木)
9:30 〜 17:00まで 初日12:00から 最終日15:00まで
山梨県立美術館一般展示室B にて開催 入場無料
山梨県で多岐にわたって活躍する同時代の造型作家達が、
ひとつのテーマでそれぞれが制作し1年に1度展示するユニークな企画展です。
昨年度の実行委員会でアンケートをとった結果、もっとも人気のありましたテーマ『時』
副題として(過去・現在・未来)に決定いたしました。
私たちは一瞬一瞬の今という連続の中に生きているので、
止まることも遡ることも無く流れる時を直接知ることはできません。
しかし、日、月、星の動き季節や成長の変化を通じて、時を計り感じることができます。
非常に観念的かつ抽象的で実態はありませんが、
この『時』過去の記憶から想像の未来から取り出して感じたままを、
各作家が自由に表現して作品にまとめました。ぜひ、ご高覧いただけたら幸いです。
【出品作品】(ジャンル順)
【 木 工 】
01:ウラシマユージ (木工)/ ウッドサイン工房マイクラフト
TIME is LIFE(時は人生なり) ウラシマユージ
【コメント】
今回のテーマ「時」を聞いてすぐ浮かんだのは、「タイム・イズ
マネー」です。クラフト作家は、オリジナル作品を時間をかけて
制作しています。そのかけた時間分が(それだけではないが)お
客様から代金をいただく元になります。まさに{時は金なり」と
いうわけです。しかし、それではあまりにも味気ない。創作の熟
練技は作家の人生そのものです。年月が培った思想や感性、技術
を凝縮し作品に投入する、まさに物づくりの「時は人生」という
思いで制作しました。中央の老人が窓の外を眺めながら人生を回
想するさまを右回りのピクトグラム(絵文字)で表現しました。
【素材と技法】
樹種はタモ(文字と枠)ホワイトオーク(下地)ムクノキ(ピクトグラム)。
文字は電動糸鋸で切り抜きます。
文字の木目が出ているのは、サンドブラスト技法プラスうづくり仕上げです。
作家自身による解説
02:加藤 潤(木工)/いっぴん工房
時の柱
【コメント】
時を見える形に表現し、いかに時をその形態の中に閉じ込めるか。
【素材と技法】
合板/合板を積み重ねて制作
【 陶 芸 】
03: 浦山 和代(陶芸) /陶工房「和」
円環
【コメント】
日が昇り、日が沈む。幸福だろうが不幸だろうが、
私達は否応なく、太陽に照らされ、闇に呑まれる。
この規則的な天体の動きと、それにともなう生物
の変化が、人間に、「時」という観念を与えたの
だろう。
【素材と技法】
陶土 / 練込、絵の具による着色、
象嵌、結晶釉、金彩、銀彩
04:福川 廣美(陶芸)/陶試紅
一片の遺産
【コメント】
人間の残した大いなる遺産も
<今日の今という時間>の積み重ねから生まれた。
確かに在った過去とこれから生まれる未来の間の今という時間を、
どう捉え、動くかで未来が変り得るという思いで制作してみました。
【素材と技法】
陶土を使用し、枝づくりの部分と手びねりの部分を結合し、
化粧土を釉薬で着色、その後、焼成しました。
05:村岡 由梨(陶芸)/工房 む
その深さは杳として知れない
森には絶えず風が吹き
池の水面を泡立て
そこに木の葉を散らしている
この池には無数の抉り出された目玉が沈んでいて
今も底の方から見果てぬ夢を眺め続けている
ため息が泡立つ池
【素材と技法】
陶器、ガラス / 炭化焼成
【 彫 刻 】
06:萩原 真輝(彫刻)/h.products
相・対する時
【コメント】
同じ時の中で様々な形で存在する物。
その時々で変化し、相・対する感情。
生きることは刻を表すことと考えます。
【素材と技法】
木:彫:磨。鉄:溶接:鍛造。
【 造 形 】
07:深澤 勉(造形)
時の住人
【コメント】
「時」からのイメージで時間、瞬間、永遠の時の中で、
生きる私たちを表現してみました。
ミルククラウンの中でのんびり暮らす人を想像してみて下さい。
【素材と技法】
FRP樹脂でできています。
08:村岡 由季子(造形)/目ん玉ンボ 唇ンバ
仕舞い込んだ記憶を開けてみて・・・
【コメント】
私は記憶に対して、この作品のようにイメージを持っています。
そう、まるで心の中に“引き出し”があり、そこに入っているというような。
引き出しに仕舞い込んだ大切な記憶をたまに開けてみて、
新たな一歩を歩んでいけたらいいなと思っています。
どうぞ、そーっと引き出しを開けてみて下さい。
覗いてみたみなさんが幸せに包まれますように。
【素材と技法】
ミクストメディア
【 金 属 造 形 】
09:上野 玄起(金属造型)
鉄の意志
【コメント】
時とともにサビて朽ちていく鉄の様子。
それと共に植物が鉄を覆って行く。
植物もいずれ枯れていく様。
時とともに変化することを表現しました
【素材と技法】
素材:鉄。技法:鉄工
10:田中 立彦(金属造型)/田中立彦アトリエ
きのう・きょう・あすbr;
【コメント】
時の流れを面格子の連結で洗わした。
寝てる間に逃げてしまったクワガタはどこに・・・
【素材と技法】
鉄 / 溶接
11:中根 一政(金属造形)/いっせい工房
家 族
【コメント】
歴史は人間によって作られてきました。遠い昔より、
家族により時が刻まれて、その家族を原点とし、
歴史が長きに渡り続いて来ました。
今回私は、廃棄自転車で人間を表現しました
【素材と技法】
廃棄自転車部品 / 溶接及びビス留め
【 金 工 】
12:早川 利禧(金工)/虹の谷アート
TIME
13:日向 左織(金工)
時
【素材と技法】
Silver ワックス鋳造
14:水上 晃一 (金工) / Will
Time Machine
【コメント】
自分が何をしたくて、どこに向かいたいのか。
そして、現在の位置を考え、制作しました。
【素材と技法】
素材/銀、アルミニューム、真鍮、
銅 技法/鍛造、鋳造
15:森本 惠一郎(金工)/山梨県デザインセンター
「何時ネックレスになるの?」
【コメント】
時とともに彼らは成長しつづけ、
成熟してからも年をとるごとに大きくなる。
天敵がいなければ、
食物が有り余るほどあれば、
恐竜のようになるかもしれない。
【素材と技法】
銀(950)に純金をはりつけたもの/
型…ハ−ドワックス、銀で鋳造
16:柳本 知一(金工)
時の流れの忘れもの
【コメント】
時の流れに
取り残された
忘れもの
【素材と技法】
石、SILVER、その他
17:ヤマセ トシフミ(金工)/工房 むく
時の玉手箱
【コメント】
過去の思い出
現在の瞬間
未来の可能性
そして色褪せる事もなく存在し続ける終わりのない永遠
時を自分なりに玉手箱の中に封じ込めてみました。
【素材と技法】
金、銀、銅、真鍮、鉄、化石、種、
鏡、硝子、木他 / 鋳造、鍛造
【 ステンドグラス 】
18: 亀田 やすよ(ステンドグラス) /ティンカーベル
トキめく この瞬間(とき)
【コメント】
宇宙空間が誕生してから百数十億年もの膨大な時が流れ・・・
そして今日まで、『今』という瞬間の連続があって、
私がここに存在し得るのであろう。
今を大切に生きる事が、
豊かな未来に繋がっていくであろうことを祈って・・・
感動の「トキ」を感じて下さい。
【素材と技法】
ガラス、真鍮、特殊表面反射鏡、銅、
箔、ハンダ(鉛フリー)、グリセリン他、
フュージング・ステンドグラス・接着技法
【 初日の美術館会場設営風景 】